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ラ・マンチャの男。

真夏の東京です。

我は勇みて行かん。『ラ・マンチャの男』の歌だ。松本幸四郎さんは、昭和44年から43年間も主役を演じてきた。と、夕べのテレビで観た。

初めて観た時の衝撃は、忘れられない。主人公の強い決意と意思に、演劇の端っこで生きている身を、鞭で打たれた気がした。

眠ったように生きていてはだめだ。

演劇も、ひとつの闘いであり、ひとつの武器になり得るのだと、やっとやっとやっと教えていただいた。僕にだって闘う時が来るかもしれないのだと。

小学四年の時、地球と世界と日本の違いが分からないのだと父に話したら、すぐに文房具屋さんに連れていかれて、地球儀を買ってくれた。それで分かった、全部ひとつじゃないかと。そして更に分からなくなった。なぜ、国と国とで戦争をするのか?みんなひとつなのに。

わかったことが、ひとつだけある。

人は、すぐに忘れちゃうんだ。教科書に書かれているような昔々のことは覚えていても、自分や自分の親が産まれるちょっと前くらいのことは忘れちゃう。そんな前のことは、知らないよって。産まれてないから知らないよって。それより忙しいんだよって。

おんなじこと、何度も何度もやってきたのに。生きてる人が語り継ぐしかないのに。

大人になって、みんなが忘れないように闘ってる人がたくさんいるのを知った。みんなに分かるように、みんなが興味を持てるように。

その中に演劇もあった。

幸四郎さんが43年間続けていることは、誰にも真似ができないだろう。でも、誰かがやらなくちゃならないことなんだろう。一生を費やして。あっという間の人生を使って。

その生き様に、胸をうたれる。

命の使い方に、胸がふるえる。



今日も、どうぞお元気で。

今日も、ありがとう。

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