小さな。

今日も雨の東京です。


ミュージカル映画が観たい。そう思った。

観たことがある映画を思い出して、口ずさんでみた。
いろんな歌を鼻唄で。

たくさんの情景、感情が身体をめぐった。

涙も出た。

本当は、うわーって泣きたいのかもしれないと思った。うわーっ、お母さ～んって。

なかなかそうもしてられないので、小さな涙で満足しようとする。

たとえ小さくても、心にとっては出口になる。

いろんなものが流れ出す。

そうして、子供の頃に好きだった歌を思い出した。

小さな木の実。

ビゼーの作曲だったと初めて知った。

ちょっとかなしげなメロディーが、子供の僕の不安ななにかを慰めてくれていた。


忘れていた歌詞に、

坊や　強く生きるんだ
広いこの世界　お前のもの
とあった。


それは、パパの言葉だった。

あたたかいパパとの思い出の歌だった。

たぶん子供の僕には、歌詞の意味などわかっていなかっただろう。


けれど、あのメロディーは、僕の身体に記憶された。

やさしく残っていた。



今日も、お元気で。


今日も、ありがとう。