日曜日。

少しもやがかかったような青空の東京です。


昨日は帰宅後、家内が一晩お世話になった階下のお宅にご挨拶をして、部屋の片付けにかかる。

その前に、家内とお互いの経験したことを話し合った。とりあえずテレビやラジオは消しといて。

しゃべっていると、いろんなことがわかってくる。相手の気持ち、自分の心境、見た目だけでは伝わらない動揺。

しばらくして「やっとお腹が空いてきた」と家内が。冷凍ご飯とフリーズドライのお味噌汁で食事。

こんな日でも新聞は、ちゃんと届いている。作っているのも、運んでいるのも、みんな同じ経験をした人たちだ。ありがとう。


部屋の片付けは、簡単にできそうなことから少しずつ。幸い、ガラスなどはほとんど散乱していなかったので、棚やタンスから落ちた小物を整理するくらいだった。

休憩などをはさみながらやっていたが、どうしても携帯でニュースやツィッターなどを見てしまう。いろんな情報が入ってくるが、「それがすべてじゃない」「自分の判断も冷静とは限らない」と頭の片隅に置いておく。本当に大切なことは、身体が感じてくれるだろう。　

部屋が片付くと、ちょっと落ち着いた。

次に用意するのは、非常用の荷物だと、やっと気づく。スーパーが営業しているのかわからないが、外の様子を知るためにも出掛けてみる。

買い物をして、遅いお昼を食べようと商店街に入ったら、人気がある洋食屋さんがやっていた。おいしいものを食べたら、自分では感じていなかった緊張がほぐれるのがわかった。お店の方の笑顔が、とてもうれしい。ありがとう。

途中、いつもより人気の少ない本屋さんに寄って帰ってきた。

帰宅後は、お風呂に。そして昼寝。夕べ一睡もできなかったという家内は寝室へ。劇場の楽屋で誰よりも先に寝ていた僕は、ソファーで横になった。

気がつくと20時を過ぎていた。たまたま夕飯時には消灯していた。

夜は、できるだけ少ない灯りで過ごした。つければつく灯りだから、暗さが反対に気持ちを静めてくれる気がした。

昼間に買ったたい焼きと簡単な蒸し野菜と一杯の赤ワインで夕飯を摂り、就寝した。


今日一日でやったのは、部屋の片づけとお風呂と食事と昼寝だけ。

それは全部、自分を落ち着かせる環境を作ることかもしれない。

お芝居ができない今の僕にできるのは、まずは自分の心身の安定かもしれない。再開に向けての準備だ。


昨日から再開している舞台もある。知っている俳優さんがたくさん舞台に立っている。詳しい状況は分からないが、自分にできることをできる範囲でやっているのだろう。


今日も、ありがとう。


今日も、お元気で。